カウンセラー 山本 加奈(やまもと かな)

初めまして。大阪メンタルカウンセリングの山本です。
私の対人恐怖症克服体験をお話し致します。

対人恐怖症になるまで

私の恐怖症は、視線恐怖症、脇見恐怖症、自己視線恐怖症でした。
初めて発症したのは、社会人2年目22歳の頃です。 当時、鉄道会社で車掌の仕事をしていました。 鉄道会社での仕事は私にとって、とても大変でした。 深夜まで働き、宿舎に泊まり、朝4時に起きて正午まで仕事という不規則な生活を毎日送っていました。 家に帰るとグッタリして起き上がる事もできない程しんどく、また私の全ての欲求が突然なくなったのも覚えています。 徐々に慣れるものだと言い聞かせていましたが、なかなか体は慣れず体力・精神ともに疲弊していました。

入社して1年が経ち私に後輩が出来ました。 後輩が出来て嬉しかった反面、実力に自信がなかった私は後輩に抜かされてしまわないかとても不安になりました。 また、上司から後輩の指導を任されるようになり、期待に答えないといけないととても感じました。 “期待しているよ”の一言がプレッシャーになりました。 「期待通りの人」「仕事ができる人」「誰からも慕われる人」「愛想がいい人」挙げればきりがないけど目指す自分が多かったです。 その分だけ自分を取り繕っていました。そして素の自分が何なのかもよく分からなくなっていました。

発症のきっかけ

入社して2年が経った頃、仕事でミスをしてしまい上司に指導されました。 指導されている時、本当に突然、目の前がぼやけ、焦点が合わない感覚に陥りました。 また、目が開けづらくなり上司の話が全く入って来なくなりました。 目つきが悪くなっているだろうなと思い、上司と目を合わすのが怖いと感じましたが一生懸命話を聞いている顔をしました。 ですが、指導してくれてた優しい上司が、警戒した顔つきでこっちを見てきます。 自分自身何が起こったのかよく理解できませんでした。 思い返せば、恐らくこの日が私の自己視線恐怖症の発症日でした。
地獄の始まりでした。 その日から徐々にではありますが症状の悪化へ拍車がかかっていきました。 自分が話をしている時、相手が話をしている時、いつでもおもりが乗ってるんじゃないかと思うほどまぶたが重くなりました。 仕事場の仲良くしてくれていた上司に対してもその恐怖は起きました。 とてもしんどかったです。今までごく普通にできていた”目を合わす”という事が怖いと感じる。 職場の上司とも距離がだんだんと離れていきました。 自己視線恐怖症の怖いと思ったところは、ある相手に一度恐怖が起きてしまうとなぜかその後も恐怖が絶対出る所です。 なので、自己視線恐怖症が出ないようにしようとしますが、現実は甘くないようで「症状が出てほしくない出るな」と思えば思うほど症状が出ていました。 辛くて、毎日ネットで治療方法がないか調べていました。でもなかなか自分と同じ様な経験をしている人がいませんでした。 色々調べていく中で、私は視線恐怖の中でも、自分の目で相手を不快な思いにさせていると感じる「自己視線恐怖」だという事が分かってきました。 私の場合は電車の中、コンビニ(日常生活での買い物すべて)、すれ違う人全て、職場、友達、そして家族にまで症状が起きました。本当に四六時中です。 一人の時間だけがすごく楽でした。21歳までのあの楽しい日々に戻りたいと心から思いました。

具体的な症状について

電車の中

正面に座っている人を見ることが怖い。目が合うかもしれない恐怖。 自分が相手を見る目、視線が凶器かの様に思い、自分と目が合うと、相手を不幸にさせてしまう感覚。 視線をどこに持っていけばいいか分からないから、いつも携帯電話で視界を塞いで、下を向いていました。 電車の中で大きな物音がなったとしても、普通の人ならその物音を反射的に見るけど、目を動かす事すら怖かったのでそれすら出来なかったです。 つばの広めの帽子をかぶって、眼鏡もつけて電車に乗っていました。

コンビニ

買うだけなのに店員さんと目を合わす事が恐怖で、挙動不審でした。 「ご飯温めますか?」の質問にすら答えることが恐怖。答えても目がおかしくないかすごく気になっていました。

美容院

美容師さんが自分の髪型を確認する時、鏡越しでも目を合わせられなかったです。変な目になっていないかとてつもない恐怖でした。 美容院ではシャンプーの時だけ唯一の癒しでした。

すれ違う人

向こう側から人が見えた瞬間に気持ちがザワザワして、緊張がすごかったです。 そしてすれ違う時は、目を合わさない様に必死で前だけを見ていました。 周囲を見るのが怖いので、よくぶつかったりしていました。

職場

デスクワークの時、前の席の人・斜め前の席の人の視線が気になる(脇見恐怖) 皆、PCを見て仕事をしているだけなのに、全員が自分を見ている感覚に陥り、恐怖が起こる。 また、私はその恐怖のせいで目が重たくなり、その顔を見られるのがまた恐怖でした。

友達・親友

今まで仲良くしてくれていた友達に対しても発症しました。カウンターで横に並んで話をするならまだマシですが(それでも辛い) 正面で話をする時がきつかったです。目のやり場に困るし、目は見れないし。友達に嫌われるんじゃないかと悲しくなりました。 今まで普通に話していた事も、視線が気になり全く話が入ってこない状態でした。そのせいで本音で話す事ができなくなり始ました。

退職と転職

そして、仕事については、鉄道会社を3年で退職しました。
転職活動は、面接という目を見ないといけない課題がありとても億劫でしたが無事に内定をもらい、学生の時からパソコンを触ることが好きだったので事務職をしました。 無事入社できたのは良かったのですが、やはり自己視線恐怖が出てきます。 最初に社員一人一人に挨拶に行く時には症状が出ていました。 上司に対しても教えてもらっているものの、目を見て話を聞く事が怖いので話が上の空でした。 その時言っていた事を後から思い出してメモに残すという覚え方しか出来ませんでした。
ここでも視線恐怖でるのか~とこの会社でやっていける自信を無くしました。 この会社も4年程で退職しました。 前職よりもはるかに楽だったし、給与面、人間関係も良かったのですが、自己視線恐怖症が辛かったからです。 治さないとどの会社に行っても同じだなとは思っていました。

治療開始

これから、結婚・出産・子育て。 いろんな事がある中で、自己視線恐怖症は容赦なく自分を責めるんだろうと思いました。 小さな子に対しても症状がでてたので、子育てで自分の子供に万が一症状がでたらどれだけ辛いだろうかすごく考えました。 転職をした事で、このまま転職を続けてても一生同じだと思いました。 自分の時間がやっと持てた時、本気で自己視線恐怖を治したいと思いました。

まず心療内科が思い当たりましたが心療内科は薬物療法で終わらされると思い、心に対するアプローチをした方がいいと思いカウンセリングを受けようと思いました。

症状を治すことを第一にクチコミが良かった梅田のカウンセリングルームに行くことにしました。綺麗な感じのカウンセリングルームで先生も優しそうだったのでそこにしました。

そこのカウンセリングルームではゲシュタルト療法と言って過去に自分を傷つけた人をぬいぐるみに投影し、当時その人に言いたかったことを言うという訓練をしました。
最初は恥ずかしくてやりたくなく、また何をしているか正直よくわからないまま、ただ言われるがままにやっていくと徐々に没頭していき気が付くと泣きながら叫ぶほど一生懸命やっていました。しかしカウンセリングルームにいる時点から治った感じは全くせず、当然帰り道の電車でも何も変わらず恐怖症状が出てきました。

過去にアプローチするという点は恐怖心を消すのに有効だと思い、もう一度行きましたが2回目も同じようなことをやって何の変化もなかったため(治らんわ)と思い、(これからも何回も通わないといけないのか)と思うと気が遠くなり通うのをやめました。

大阪メンタルカウンセリングとの出会い

この時点で28歳です。
他にいいところはないかと色々検索をしていくと、大阪メンタルカウンセリングが出てきました。
先生の体験談、熱意などホームページを片っ端から全て読みました。 その内容に自分と似た症状があって、すごく嬉しかったです。 経験した事がある人にしかわからない事が沢山書いてありました。
何より一番すごいと思ったのは全額返金保証でした。
初回のみ全額返金保証をしているところはたくさんありますが、よく考えたらおかしな話です。最終的に納得できないってことなのか?と疑問に思います。
大阪メンタルカウンセリングのすごいところは初回のみの返金ではないところです。(治らなくてもお金返ってくるなら行こう)と思い予約を入れました。

最初カウンセリングに行った時も、衝撃的でした。
問診表を書いている間、先生は離れたところでタバコを吸っていました。
前のところと全然違い(ゆるいな~)と思いました。

問診表が書けると先生が自分の病気がなぜ起こっているのか分析してくれて、説明してくれました。 内容も難しいものではなく、知識の無い私にも分かりやすく例を交え教えてくれました。 22歳の時から時が止まった感じがしていましたが、初回カウンセリングが終わってから時が動き出した感じがしました。

治療経過について

決意して通院し始めたものの最初は正直、本当に治るのかすごく半信半疑なところもありました。
通院後のカウンセリングの内容も初回以上にとてもわかりやすくて先生の言う内容は腑には落ちてましたが、出される課題に対して(こんなんで治るんかなぁ)と思っていました。
ただ先生を信じて(意味がないことはない!)と思いとりあえずやっていきました。

通院を開始してから1カ月程度経ったカウンセリングの日、その日は訓練の日でした。
その日は事前に「次回は4時間やります」と聞かされていたので(今日は4時間もあるし嫌だなぁ)と朝から思っていました。
ただ訓練内容を聞いた時は的を射たように自分の弱いところを突いた訓練だと思いました。
最初(無茶苦茶いややなぁ)と思っていましたが、でも実際にやってみると先生のサポートもあってか意外と楽しくできました。
訓練した後はカウンセリングルームにいる時から万能感がみなぎり(今ならなんだってできる!)と自分の可能性が広がった感覚になりました。

その日のカウンセリングの終了時に先生から「帰り道で自分の症状を確認してメッセージで教えて」と言われました。
そう言われた時は(なんだか帰りは症状が出なさそう)と思いながらも実際はどうなるか不安でした。
しかし実際に帰りの電車に乗ると電車の中の全員のことを見渡せ恐怖は全く感じませんでした!

電車の中は大丈夫になったものの、まだ家族や友達には症状が出ていましたので
それを先生に相談するとシーンごとの症状が取れる課題を出してくれ、
実際にやってみると次々と症状が取れていきました。

電車の中

恐怖を感じなくなりました。
緊張することは時々ありますがその緊張もすぐ取れます。

コンビニ

恐怖心も緊張も全くなくなりました。
何に恐怖していたかも忘れてしまうぐらい良くなりました。

美容院

逃げれない環境のためかまだ意識してしまうと恐怖が出ることがありますが
しんどさは2割ぐらいになりました。
(克服課題を実行中)

すれ違う人

基本的に何も感じなくなりました。
時々何か感じますが実際にその人を見ると何も感じない状態。
(先生曰くそのうち何も感じなくなるとのことです)

職場

一番強く出ていたのが職場ですがほとんど感じなくなりました。

友達・親友

以前はすべての友達に恐怖症状が出ていましたが、症状が出ない友達が徐々に増えてきました。
完全に症状がでなくなった友達に会うときは症状があったことを完全に忘れています。

まだ少し残っている部分もありますが本当にここに決めてよかったなぁと思いました。 問題をきちんと分析して洗い出してくれ、自分でも気づいていない自分自身の考え方も見つめなおす事ができるいい機会になりました。 そこから問題点にきちんとアプローチしていき、根本から取り除いていく。 先生の力は本当にすごいです。 先生自身もとてもいい人で、これからもずっと繋がっていたいと思えるくらい、素敵な先生です。

克服後

視線恐怖症の克服後、誰にでも気軽に話しかけられるようになり人生が楽しくなりました。以前は自分に対して自信を持てなかったのですが、今は自信が持て失敗を恐れなくなりました。

やりたかったことに次々と挑戦する意欲が湧き、その内の一つで婚活をしているのですが、モテ期が来ているのかと思うぐらいモテるようになりました。

自分の意見をはっきりと言えるようになり友達に喜ばれることが増え、ネガティブに考え悩む時間もなくなりました。

あと緊張がなくなったからか長い間苦しんでいた腰痛、顎関節症も気が付けば治っていました!

カウンセラーに

だいぶ症状が良くなったある日、先生から「今仕事していないならウチで働いてみませんか?」と声をかけていただけました。
最初は不安に思ったものの、(自分と同じように苦しんでいる患者さんを助けたい)と思いカウンセラーになることを決意しました。

実際に働いてみると先生は患者の立場から見えていた以上に毎日患者さんのことを考えていてこんないい先生に診てもらえて本当によかったと思いました。

毎週勉強会があり先生からいろいろなことを教わりますが、先生の特にすごいところはまだ世の中にない新しい治療法を次々と作り出していくところです。
そしてその治療法を実際に患者さんに試してみると次々と症状が取れていくのです。
こんなに尊敬できる人は出会ったことがないです。

対人恐怖症で悩んでいる皆さんへ

どんな事でも、先生の言われた事を信じてやってみると進化していく自分に気づくと思います。 自分の可能性の大きさに驚くと思います。私も 7年間の苦しかった時間がやっと動き出したので、 これからやってみたかった事を沢山やっていきたいです。諦めかけていた自分に光が絶対見えてきます。先生と自分を信じて、本気で頑張ればきっと未来が変わるはずです。一緒に頑張りましょう。